2022/01/08 (更新日:2022/01/08)
正しいアイシングとは?
今日のテーマは
【アイシング】
クライオセラピー(アイシング、冷却療法)はスポーツ外傷の治癒の円滑化や、
スポーツ後の疲労回復に効果があるとされ、現場で働くトレーナーによって処方されます。
しかしながら、世界的に文献を検索しますと、その効果は不明な点が多く、
分子メカニズムも未だ殆ど明らかになっていません。
例えば、人や動物に対してクライオセラピーを行った場合、良い効果をもたらすとする報告、
変化がないとする報告、あるいは悪化させるという報告が存在しています。
「実際の所、治療的効果があるのかないのかよくわからない」
という事で結論されています。
それでもつくば大学での研究によると
「クライオセラピーによってミトコンドリア活性が上昇し、ミトコンドリアも増える」
という事が見出され、さらに、この現象は至適な冷却温度域にて誘発される事もわかりました。
※ ミトコンドリアは、細胞内でこのようにエネルギーの合成をおこなっている。
簡単に言えば、酸素をつかって炭水化物を分解し、そのエネルギーを細胞内で使えるATPという形にしている
要するに回復エネルギーを生み出す効果がアイシングにはある!
とも言える訳です
では
どのようにアイシングするべきか?
ケガの場合
炎症期間は48時間から72時間
つまりは2日間3日間。
この期間をアイシングする事がとても重要だとなんです。
適切なアイシングにより
『傷口からカサブタになるまでの期間』
を短くする事が出来ると考えるとわかりやすいですかね^ ^
では怪我した場合の基本からお話します
ケガしたらRICE処置を徹底する
RICE処置とは
Rest:安静
Ice:冷却
Compression:圧迫
Elevation:拳上
の略です
これらを行う事でスポーツをしている中で起こるケガ(捻挫・肉離れ・打撲など)の
応急処置として最大の効果を発揮するといわれています
なぜかというとケガした部位を冷やすことによって、急性炎症や内出血、
浮腫(むくみ)を抑制し組織の回復を早めることが期待されるからです。
アイシングの方法
アイシングを実施するうえで、重要なことは
①冷却温度
②冷却時間
③インターバル(冷やす間隔)
と言われています。
①冷却温度:
アイシングの冷却温度が氷点下であると凍傷になる恐れがあります。
家庭用の冷凍庫で作成した氷は0℃以下に凍っている場合がありますので、
すぐに使用はせず、表面が溶け始めてから使用して下さい
アイスノンなどで代用する場合も同じ配慮が必要になります
②冷却時間:
アイシングは、急性外傷・スポーツ障害ともに15~20分程度の実施が望ましいとされています。
アイシングの反応として
強い冷感
↓
灼熱感
↓
疼痛
↓
感覚消失
の順番で感じ、感覚が消失するまでに約15~20分と言われています。
だから個人差はありますが15-20分が基本になるのです!
逆にいうと10分でも感覚がなくなったらアイシングを終了するようにしましょう。
③インターバル:
急性外傷の場合、15~20分のアイシングを1~2時間の間隔をあけて、24~72時間継続することが望ましいと言われています。
これを徹底すると肉ばなれなどの損傷は本当に回復が早いです
ちなみに動画は私が数年前にモモの裏を肉ばなれした際の映像です
デメリットも知る
一方でアイシングには当然デメリットも考えられます。
その一つは
「冷やした部位の動きが悪くなってしまう」
ことです。
関節や筋肉、神経などはアイシングによる影響を受け、動きが悪くなってしまったり、感覚が鈍くなってしまったりといったことが起こります。
そしてもう一つは
『アイシングはケガの修復速度を遅らせる』
ということ。
アイシングは患部の炎症を抑えますが、同時にケガなどからの回復に必要な血流も減少させてしまいます。
炎症症状が軽快したところから、患部を動かして血流をよくし、温めるようにするのはこのためです。
もちろんこの辺の判断が出来るのがプロである私達なのでご安心ください^ ^
特にこのような癒着を剥がす施術を行う事でデメリットも減らす事が出来ます
アイシングを正しく理解して早期復帰のヒントにして頂けたら嬉しいです😃